突然ですが、皆さん、トランポリンと器械体操の違いってご存じですか?
時々「何が違うの?」と聞かれることのあるトランポリンと体操ですが、思っている以上に違います。
私は、学生時代にトランポリンも器械体操も両方経験しているので、その違いに悩まされてきました。
この記事では、トランポリンか体操を新しく初めようかなと考えているお子さんのいる保護者に向けてトランポリンと体操、特に器械体操との違いについてお伝えしていきます。
お子さんの習い事選びの参考になれば幸いです!
トランポリンと器械体操の比較
大前提として、トランポリンと体操(器械体操)は別物です。
しかし、全く知らない人が見たらトランポリンと器械体操は区別がないように見えるそうです。
トランポリンと体操を両方やっていたときは、
「え?トランポリンと体操って別なの?」
と学校の友達から何度聞かれたことか…(笑)
アクロバティックに舞う、という意味では確かに同じですが、違いはいろいろあります。
ここでは、トランポリンと体操の共通点と違いを説明していきます。
トランポリンと器械体操の共通点
まず、何といっても強調したいところは美しさを競う競技で、点数がつけられます。
トランポリンでは演技点、体操ではEスコアと呼ばれます。
…正直、これくらいしか似てないような(笑)
あとは、強いて言えば、技の「見た目」は似ています。
宙返りなどはイメージしやすいのではないでしょうか。
トランポリンと器械体操の違い
何から言えばいいのか困るくらいありますが、この記事では私が特に悩まされた2つを紹介します。
種目数
1つは、種目の数です。
大人になれば、男子の場合、器械体操はゆか・あん馬・跳馬・鉄棒・平行棒・吊り輪の6種目です。
女子の場合は、ゆか・跳馬・平均台・段違い平行棒の4種目です。
対してトランポリンはそれだけで競技種目となっています。
器械体操の場合は複数の種目を自分(またはコーチの指示)でいつ何をやるか決めなければいけません。
逆にトランポリンはそれしかないので、ずっとトランポリンです。
どちらがいいというわけではなく、この差は大きいです。
単純計算で、30日あったとしたら、トランポリンなら30日分の時間を使うことができますが、体操は1種目当たり6日しか練習できません。
体の使い方
2つ目は、同じような技でも体の使い方が全然違うということです。
宙返りを例に説明します。
トランポリンは上下に運動しているので、宙返りは真上に上がるように回転します。
踏み出した場所と着地する場所は全く同じになることが理想です。
体操の場合、助走をつけてロンダート⇒バク転⇒宙返り、といった流れで技を行います。
こうなると、絶対に踏み出した場所と着地する場所は異なります。
助走をつけているので当たり前ですよね。
トランポリンも体操も高さを出す、つまり宙返りをより高い位置で行うことは大事です。
しかし、振り上げる手の角度、足の振り上げなどが全然違います。
つまり、パッと見は似ていますが、体の使い方が大きく異なるということです。
この違いを使い分けることが私にはできませんでした。
競技としてやっていない観客がいたら、私がマットで宙返りをしてもトランポリンで宙返りをしても違いは分からないと思います。
しかし、トランポリンのプロ、体操のプロは見抜きます。
というか、見抜かれてました(笑)
なぜこんなにこの違いをここまで強調するかというと、この使い分けができないと、トランポリンでも体操でもより高度な技はできません。
私の場合、トランポリンよりも体操の方が初めたのが遅かったのですが、選手コースでガッツリ体操をやるようになってから、トランポリンの宙返りができなくなりました。
足の投げ出しが怖くてできなくなりました。
この違いはめちゃくちゃ大きいです。
トランポリン・器械体操はどうやって選ぶ?
そう聞いてしまうと、どちらを選べばいいのか、と悩んでしまう人も多いと思います。
個人的には、最初に興味を持った方をやってみればいい、となります。
しかし、それだけではシンプルすぎるので、トランポリンと体操それぞれそんな人におすすめするかを、トランポリンと器械体操の両方を経験した私の経験からメリットも合わせて紹介します。
トランポリンはこんな人におすすめ
トランポリンをおすすめするのは、一つのことを極めるのが好きな人・向いている人です。
トランポリンは体操と違い、複数の種目はありません。
2人でやるシンクロナイズドや団体競技、シャトルなど様々な形式はありますが、すべてトランポリンです。
そのため、トランポリンは体操のように複数の種目はやりません。
そういった意味で一つのことを極める、という側面がトランポリンは強いといえます。
あとは、私が男なので男子の種目についてしか言えませんが、手首が弱い方はトランポリンの方がいいかと思います。
私自身、手首が弱いせいか、常に両手首にサポーターを巻きながら練習していました。
ゆかや跳馬ならある程度は良かったのですが、あん馬は手首だけで体を支え続けなければならないので負担が非常に大きいのです。
そしてメリットについてもお伝えします。
私が最も良いと感じるメリットはバランス感覚が鍛えられることです。
高く、まっすぐ、飛び続けることが必要になるので、バランス感覚はトランポリンをやるうえで必須です。
というか、続けていれば自然と身についていきます。
これこそ、最大のメリットだと私は考えています。
さらに、普通に生きていれば絶対に経験できない運動ができます。
学校の授業でトランポリンを採用しているところはないのではないでしょうか?
マット運動や跳び箱、鉄棒に平均台と器械体操関係の種目は学校の体育の授業でやりますが、トランポリンはなかなかないかと。
私の所属しているクラブの持っているトランポリンのうち1台は、近くの小学校からの寄付だと聞きました。
どうやら、体育館を新しくしてトランポリンを導入したものの、扱える人・教えられる人がいなかったらしいです。
何で買ったんだよ…。
器械体操はこんな人におすすめ
器械体操は複数の種目をやるので、いろんな種目をやりたい人や、複数種目の練習をマネジメントできる人におすすめです。
中学生まで器械体操をやっていましたが、私の能力では複数種目をちょうどいいバランスで練習するのが苦手でした。
ゆかをやっていたらゆかを練習し続けていたくなってしまうようなタイプの人でした。
逆に、一つのことをやり続けることが苦手な、好奇心旺盛(飽き性)な人には体操の方が向いていると思います。
これはいろんな人に怒られそうな気がしますが(笑)
器械体操についてもメリットを紹介しておきます。
私が考える器械体操最大のメリットは体をバランスよく鍛えられることです。
柔軟性はもちろん、全身くまなく鍛えられます。
「体」を「操」る、と書くくらいですからね。
これは本当に実感しました。
トランポリンは圧倒的に下半身を使いますが、器械体操は満遍なく鍛えられないと通用しない種目ばかりです。
全身を鍛えられるというのは大きなメリットです。
学生時代、体操をやって気づかぬうちにかなり鍛えられていたようで、水泳の授業などでは結構目立ちました(笑)
トランポリンと器械体操をやっていてよかったこと
両方経験がある私の経験からそれぞれやっていてよかったな、と感じたことをお伝えします。
トランポリンをやっていてよかったこと
何といってもバランス感覚はめちゃくちゃ鍛えられました。
そしてこれは他のスポーツにも応用できます。
例えば、私は大学・大学院の6年間は北海道の大学にいたので、北海道っぽいことをしたいと思い、カーリングをやっていました。
氷の上でスーって滑る、あれです。
当然、氷の上なのでかなり滑りやすはずなのですが、転んだことはほとんどありません。
体の安定感はかなり向上したんじゃないかな、と思います。
また、塾講師もやっていたのですが、塾講師としての活動は常にスーツです。
スーツということ靴は革靴ですが、北海道のあたり一面雪景色の中、滑り止めなしの革靴でもほとんど転びませんでしたね。
バランス感覚が鍛えられたエピソードが転ばないこと、だと少し弱いかもしれませんが、バランス感覚は確実に向上します。
器械体操をやっていてよかったこと
これは体が満遍なく鍛えられたので、丈夫な体が手に入りました…みたいなエピソードがあればいいのですが、私が実感している一番のメリットは一発芸ですね(笑)
器械体操を完全にやめて10年以上たちますが、未だにバク転やバク宙程度ならいつでもできます。
お箸を持つような、常にやっていたことは体が覚えている、というやつですね。
なので、困ったときは回っておけばすべてよし、みたいな頭になってます(笑)
もう少しまじめな話をすると、体操はあらゆる方法で体を使うのはもちろんのこと、イメージトレーニングの影響が非常に大きいのです。
こういう技をやりたいからこう動かせばいいか、失敗したからこうじゃダメってことだな、じゃあこうしてみよう…
という試行錯誤を常に行っています。
なので、スポーツ以外のほとんどの場面で自分の限界を超えた動きかどうかがわかるので、けがはしにくくなっていると思います。
トランポリンと器械体操の違いのまとめ
傍から見ると似ていますが、トランポリンと体操には大きな違いがあります。
どちらを選択するにしても、宙返りを練習する前に決めることを強くお勧めします。
そしてどちらを選んでも全力で楽しめる選手を目指してください!